岩渕先生の部屋口腔乾燥患者の手記

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T.Y.さんの手記

今から、4、5年前になるでしょうか? シェーグレン症候群の症状が、私の身体に出始めたのは。歯の治療を受けている最中に、ふと舌の先が治療中の歯に触れてしまい、ヒリヒリとした痛みと火傷をしたような熱さを感じました。それ以来、舌の先が熱くてよく口から舌を出している毎日でした。
目もしょぼしょぼ、ゴロゴロが続き、眼科に通っていましたが、ドライアイと言う一言で、目薬だけの治療でした。
また、内科では舌の先の痛みの原因が分からず何の手当ても受けらませんでした。

この状態から2年が過ぎた辺りに、最寄りのかかりつけの医院の院長先生が、「胃の方からの症状では無く、もしかして・・・」と言いながら奥の方から部厚い医学の本を取り出して来て、「最近、シェーグレン症候群という患者が多く話題になっている」という話を聞かされました。「この病気の治療は当院では出来ない」と言われ、栃木病院を紹介されました。

検査の結果、やはりシェーグレン症候群と言われ、ショックを受けました。
しかし、「更年期に向う年頃の女性や年輩の方に大変多い病気」と聞かされ、健康でいられる為の治療に取り組もうと決心致しました。

診察を受け、薬を頂き、飲み始めて約2週間位で効果が表われ、舌のヒリヒリ感と熱い感覚が和らいで楽になって来ました。
人によって早く効果の出る人と、時間のかかる人、あまり変わらない方もいるようですが、私には早く効果が表われ、半年も経たないうちに、月一度の診察となり、その後2ヵ月に一度となり、今では舌の不快感も忘れるほど、楽になりました。

近い内には最寄りのかかりつけの医院で薬だけ頂ける話も聞き、一生飲み続ける薬ですが、今のところ副作用も出ていないので長く飲み続けます。
もし、この様な症状で悩んでいる方がいるなら一日も早く専門の科で診察を受けることをおすすめします。


M.M.さんの手記

無病息災の言葉の通り私は会社で定年(60才)を向かえる迄病気一つせず元気に過ごして来ました。
しかし定年2年後、主人を肺ガンで亡くしました。主人は70才でした。
悲しい思いで過ごしているうち私の体に異変がありました。手足がリウマチのように痛み出したのです。車のギアチェンジもつらく、両手でやりながら近所の医院へ向かいました。
症状を話すと検査してみましょうとの事。尿、血液検査などして「1週間後に」と言われ、病院へ行きました。

検査結果はリウマチはなく膠原病との診断で、聞いている自分がビックリして「今迄何の症状もなくある日突然こんなことが」と耳を疑いました。
妹が膠原病で亡くなりました。そんな事を考えて心配で栃木病院へその後すぐ行きました。
同じように検査をして頂きましたが結果は同じ診断でした。
クスリを頂き通院をはじめて良くもなく、悪くもなく4年が過ぎようとしています。

しかし2年ほど前から唾液が出なくなり口腔外科に、目はドライアイで眼科に、と健康には自信のあった自分は今どうしてこんな思いをするのかと悲しくなります。

主人とは生前、「2人とも定年で会社勤めがなくなった時、元気で旅行でもしようね」とよく話していました。主人も病気もせず医者にもかかった事などなかったのですが、肺ガンと診断され、わずか一年ぐらいで亡くなりました。

健康管理に充分気を使っていてもこんな事もあるのかと自問自答しながら過す毎日です。
不安な気持ちは一生続くかもしれず、自分に負けそうになる事も多く、現代の医学を信じても治す事も出来ない病気もあると聞きます。
しかし、私達は医師を信じ、医学を信じ、通院生活が続くでしょう。
年老いて行くこれからも家族と過す一日一日に大切にしながら、健康な人よりきっと一日に気をくばり大切に生きられると信じています。

・有意義に あたえられた 人生を 無駄にせず 晴れやかに
・有療養も 苦にせず 医療と対話して 信じて過ごせば 日々楽し
・前向きに 病魔も我が分身と 仲よく付き合い 生きぬこう


F.K.さんの手記

私は何年も前から口の渇きで悩んでいました。
ドライアイも二・三年前からです。ドライマウス(口の渇き)が病気だと考えた事もありませんでした。何か原因があるとは思いましたけれど、何科に行けばよいのかわからなくて自分一人で悩んでいました。新聞を読んだ時は「コレダ」と思い、ホッとしました。
これだったのだと思いながら一ヶ月も経ってから診察を受けました。同じような人が多いのにびっくりしました。

私の場合は口が渇くを通り越していました。たとえるならば稲刈りの終わった田んぼのようにひび割れが出来ていました。
冷たい物、熱い物、刺激物、フルーツ等はしみて食べる事が出来ませんでした。食事の時は大変です。水を必ず置いておきます。御飯は少しずつ口に入れて水を含みます。食べなくてはいけないと思い無理しても流し込んでいました。

もう少し大変な事がありました。それは話す事です。一寸話したら、ロレツが回らないように言葉が出なくなるのです。水を飲まないと話が続けられませんでした。私は少しひどかった様です。

薬の処方が出たのは初診から二ヵ月後でした。
処方箋が出た時は本当にホッとしました。でも「飲んだからってすぐに治るわけでなく一年位はみて下さい」と言われました。治るならば一年でも二年でもいいわという気持ちであまりあてにしていませんでした。

一ヶ月近くで驚きました。口の中が湿ってきたのです。一年ではなくですよ。本当に嬉しかったです。今月はどの位出ているのかと毎月病院に行くのが楽しみになってきました。

今は一年になりますので、水を飲まなくても何時間も話すことが出来ます。井戸端会議が楽しくなりました。食事はおかず類は水なしで食べることが出来ます。フルーツもおいしく食べられます。御飯・パン類は一寸無理ですけれどもう少しという感じです。何を食べてもおいしくて、楽しい食事になりました。悩んでいたのがうその様です。
今は田植え時の田んぼのように水々しています。


H.K.さんの手記

私が口の中の異常に悩み出したのが、平成十四年一月からでした。
口の中が爛れ、痛みが口の中全体に現れました。特に舌の痛みはひどく、舌面は干からび、ひびが入り、出血を伴う様になりました。口蓋もカラカラに渇き、食べ物が全部歯にくっついてしまい、飲み込めないという状態が日常茶飯事でした。

また、口唇の荒れが酷く、リップクリームを塗ってもすぐにカラカラに渇いてしまいポロポロ落ちてしまいます。塗っては落ちの繰り返しで真っ赤なタラコ唇の様になってしまいます。ワセリンやいろいろな種類の薬用リップクリームを使用してみましたがどれを塗っても口唇の渇きを補う事は出来ませんでした。

唾液腺が詰まったのかもしれないとも考えました。唾液が少しでも多く出るのではないかと思い、レモン、梅干を毎日のように食べた事もありました。しかし、何をしても良くならない症状に毎日悩み続けました。
主人にも話してみましたが喉が渇くのはわかるが、口が渇くのはわからないと言われ、どう説明してよいのかわかりませんでした。

この様な心の不安定になっている時に新聞によるシェーグレン症候群という記事を見る事が出来、自分と同じ症状にうれしさと安堵感を感じることが出来ました。
自分の症状がシェーグレン症候群とわかり、精神的にすごく救われた様に思いました。でも、まだ良くなったという実感はありません。いつになったら治るのだろうと思う事はありますが、病名を知る事によって心の不安はかなり取り除かれた様に思います。


Y.O.さんの手記

それは、数年前のある旅先のことでした。
封書に切手を貼ろうとして舌で舐めましたが唾液が出ず、貼ることが出来ませんでした。
今でも時々口の中が渇くことはあったけれど、「飲みすぎかな、それとも歳かな」くらいに思っていました。

もともと歯は丈夫で虫歯は無く、五十歳までは歯医者に罹ったことも少なく、口内に関しては意識したことはありませんでした。
切手の件以来、口の中が渇くことが気になりだしました。もうその頃は歯槽膿漏で歯肉から出血しており、週一の割合で近所の歯科医で治療していました。

たまたま新聞でドライマウスについての記事があり、私の症状によく似ていました。
早速、通院している歯科医師に相談したところ、専門医に診て貰ったらと紹介状を書いてくれました。

初診は平成14年12月初旬だと記憶しています。
診察室の廊下の壁に病気に関連したポスターが貼ってあり、その中に、百人中九十五人は女性であり、男性は珍しいようでした。
病名はシェーグレン症候群という初めて聞く名でした。口の中の唾液を出す器官が何らかの異常で正常に働かないために、口の中が渇くとのことでした。これは口の中の免疫が・・?

私の場合は就寝中、特に朝方の3時〜4時ごろになると、舌がザラザラになってしまいます。しかし喉の渇きはそれほどでもなく、水で口をうがいするだけで飲みたいとは思いません。
血液検査や諸検査の後、他にも異常も無かったので、この病気に適した薬を服用することにしました(長期間服用するとのこと)。

初診から1年ちょっと、月に一度の診察ですがその都度、担当の岩渕先生からどうですかと尋ねられます。本来なら「お陰様で良くなりました」と言いたいところですが、返事は同じ「症状に変化が無く前と同じようです」。

しかし、考えてみると前と同じということは症状が悪化していないということで、実際には薬の効果がでていると思われます。
古希も過ぎ身体のあちこちにガタがきている今日この頃、現状維持でいられるのは快方に向かっていると思っても良いのではないでしょうか。
飲みすぎたり、過労、睡眠不足の後は舌の乾きも激しいですが、それ以外は食事や味覚の感覚も普通であり、当分通院して治療に専念したいと思っています。


J.T.さんの手記

“あ、よだれがたれたよー!”
夢うつつの中でよだれがたらーりとたれたことに歓喜したのは、病院でもらった新しい薬を飲み始めて約1年10ヶ月が経過した去年のことでした。

私がシェーグレン症候群という聞いたこともなかった病気だと診断されたのは今から2年前の12月のことでした。
教師をしていた私は生徒相手に喋ることが仕事でしたが、それがいつ頃から起こり始めたかは定かではありませんが、授業中に口が渇いてカラカラになり舌がスムーズに回らずひどく喋りにくいということが度々おこってきました。
でも、自分ではそれが病気であるなどということは考えたこともなく、頭の片隅にすら浮かびもしませんでした。

生徒達に“私ネ、口が渇いて舌がうまく回らなくなってしまうのでペットボトルを持参して口を湿らせるけど許してネ”と了承をえて、飲み物持参の授業をしていました。
また、その頃から食物も呑み込みにくいことが多く、特に芋類、パン類、菓子類は飲物と一緒でないと喉につかえる感じがすることが度々でした。でも、これも病気だなどという認識は全然なかったのです。

58歳の夏頃から何となく体調が優れず、手足、特に関節の痛みがひどくなり病院で検査を繰り返しましたが、当初は何が原因かも分からず、心身共に参ってしまいました。
そんな折、肺炎を起こし入院をせざるをえなくなり、これを機に徹底的に検査を受け、リウマチに罹患していることが判明しました。

その後、歯も悪くなり歯科に通うようになり、その歯科医師から唾液の量が非常に少ないので、栃木病院の口腔外科の岩渕先生に診ていただくよう紹介され、初めて診察をしていただいたのです。

唾液量測定、アイソトープ検査、口腔内細胞検査、そして眼科での涙液検査の結果、まさしくシェーグレン症候群と診断されたのです。そして先生から新しく発売された薬を飲むことによって唾液の量が増える可能性があるとの説明を受けましたが、私の場合アレルギー体質でしかも薬のアレルギーも多く、この薬を本当に飲めるかどうか不安でした。

副作用としての吐き気等がおこることもあると言われましたので、これも覚悟して飲み始めましたが、幸いなことに吐き気は1度も起こらず、この薬の副作用はほとんどおこりませんでした。

当初は朝・夕の2回服用でしたが1年が経過してからは1日3回にしていただきました。その結果、唾液の量も最初に測定した時にはガムをかんでもかんでも唾液が試験管にたまることなく、わずか0.9ccしかなかったものが、徐々にふえていって今では9cc以上と10倍以上にも増えました。これが“あーよだれだよー!”の大感激になっていったのです。

おかげ様で食物も、お菓子もずいぶんスムーズに食べられるようになり、舌が口の中にへばりついて呂律が回りにくいということも少なくなりました。
教師としての仕事は2年前に定年退職して、以来人前で喋ることはほとんどなくなりましたが、今は孫を相手に本の読み聞かせや、歌を歌ってやることがスムーズにできるようになりました。

近頃になって新聞雑誌などにシェーグレン症候群に関する記事が載るようになり、この病気を知る人も増えてきたと思います。そして私と同じ辛い思いをしている人が数多くいるのだろうと推測されます。

私の場合、岩渕先生に診ていただいて適切な治療をしていただけたことがとてもラッキーだったと心から感謝しております。
また、シェーグレン症候群によるドライアイもかなりひどいものでしたが、涙点にシリコンを埋めるという新しい方法でかなり楽になっています。

シェーグレン症候群は現在の医学ではまだ完治することが難しい病気ですが適切な治療を受けることにより、症状の軽減をはかって「あきらめるのではなく病気と仲良くつきあっていく」ことが大切だと思います。

因みに現在私はリウマチ、シェーグレン症候群、心因性膀胱炎、慢性中耳炎、内耳炎による8回の手術後遺症の平衡感覚障害に加え、昨年から狭心症が加わり、まるで病気のデパートのようですが、これからも、この私を取り囲む病気達と仲良くつき合って行こうと思っています。

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