岩渕先生の部屋ドライマウスの診断と治療

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診 断
自覚症状アンケートの項目の図(図1)ドライマウスを疑う場合には、アンケートによる自覚症状のチェック(図2)と口の中の観察、ガムテスト(ガムを10分間咬んで出てきた唾液の量を測定する)による唾液量の測定を行ないます。自覚症状や口の中に症状があって、ガムテストが10ml以下であればドライマウスと診断します。次に“唾液が作れなくなった人”なのか“水分が減った人”なのかを診断します。そのためにまず、唾液を作る能力が正常かどうかを唾液腺機能シンチグラフィという検査を行い調べます。この結果により機能が正常であれば“水分が減った人”、機能が低下していれば“唾液が作れなくなった人”ということになります。そしてあなたの生活習慣や現在治療している病気のこと、飲んでいる薬について質問することになります。“口を開けて寝ていないか”、“糖尿病はないか”、“唾液を作る能力が落ちる薬を飲んでいないか”などを調べます。ですから、病院を訪ねる際には今飲んでいる薬や治療中の病気について判るものをお持ち頂くのが良いと思います。

これまでの診査で原因として該当しそうな病気などがない場合にはシェーグレン症候群によるドライマウスを疑います。シェーグレン症候群の診断には特殊な検査が必要になります。その際には眼科や内科の先生と協力して行うことになります。詳しくは後で話します。

ドライマウスの診断の図

治 療

(図3)ドライマウスの原因を調べることが治療法を決める上で最も重要なポイントです。糖尿病や唾液腺自身の病気があり、原因が明らかな場合には、その治療を最優先に行ないます。薬の副作用が疑われる場合には、その薬の中止や変更について他科の先生と相談することになります。ただし、自己判断で勝手に薬を中止しないで下さい。

ストレスが原因と思われる場合には生活習慣を改めてもらったりもします。また、口を開けて寝ている方には夜寝る際にマスクを使ってもらったりします。マスクはユニチャーム製の超立体マスク(R)がお勧めです。口と鼻の両方を覆うことができて、さらに息苦しさがありません。私の調査では90%以上の方が従来使っていたガーゼタイプのマスクより使いごちがよいと答えています。

しかし、シェーグレン症候群を始めとする自己免疫疾患や腫瘍、放射線治療や透析などが原因の場合は根本的な治療が大変難しいです。そのため、症状を和らげる治療が中心になります。人工唾液やうがい薬、トローチなどが用いられます。

ドライマウスの治療の図

また、最近では口の中の保湿剤やうがい薬が各メーカーから発売され効果を上げています。特に口の中がネバネバする方には、うがいがとても良いようです。中でも重曹の入ったアズレンスルホン酸ナトリウムや酸味が利いた製品は効果が高いようです。口の中がザラザラする方や舌が痛む方にはジェルタイプの保湿剤がお勧めです。冬に水仕事をすると手の油分がなくなり手荒れをおこしますが、それを放っておくとあかぎれを起こして痛みが出てきます。ドライマウスが原因で舌がザラザラしたり、痛みが出るのもこれに似ています。舌は食事をしたり会話したりするときに絶えず動いています。その際に舌が歯やさし歯、入れ歯にぶつかるのですが、通常は唾液という潤滑油があるので舌に傷が出来にくくなるようになっています。でも、ドライマウスの方は唾液が少ないために舌を保護してくれるものがなくなり、舌がザラザラしてきます。これが進むと痛みが出てくるという訳です。ですから手にハンドクリームを塗るように舌にもクリームを塗ってあげるのです。

飲み薬による治療としては、漢方薬、唾液腺ホルモン、セビメリン塩酸塩水和物やピロカルピン塩酸塩が用いられます。シェーグレン症候群に伴うドライマウス治療薬のセビメリン塩酸塩水和物やピロカルピン塩酸塩はとても良い効果を上げています。また、放射線治療に伴うドライマウスにはピロカルピン塩酸塩が効果を示します。

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