豊福先生の部屋おわりに

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そもそも舌痛症など原因不明で治療法も確立していない疾患を眼前にすると、医師や看護師は「検査では問題はないのに執拗に訴えを繰り返す迷惑な患者」と敬遠する傾向があります。しかし、これは患者さんにとってみれば「検査で問題ないと言われても、次回受診日まで待てないほどの病を抱えている」という症状体験なのです。

舌の痛みが治らないから舌癌の心配をするわけで、単に心配性だから痛みを気にしすぎているというわけではありません。

本症の患者さんの気持ちとしては、「これだけ医学が進歩したのだから、、、原因が分からないはずがない、治らないはずがない」「どこかに良い先生がいるはず」といった言葉がよく聞かれます。

真面目で几帳面な性格の人が多いだけに、このような原因不明の難治性疼痛に「なぜこの自分が」苦しまなければいけないのか、その理不尽さに悩まれているように思います。

そのため原因は何だろうか?と、とことん追求されるあまり、「薬剤の副作用だろうか。それとも、やりかえた金歯が悪いのだろうか、金属アレルギーかも」などと見当違いな「犯人探し」に陥ってしまう方もしばしばおられます。背景として、マスコミ情報の氾濫、科学万能主義や医療不信の蔓延、患者さんの権利意識の向上などがあるのでしょう。

一方でこういった患者さんの不安に付け込み、「商売」にしようとする向きも少なからず存在するのも事実です。劇的な治癒を望むあまり、場合によっては知人の勧めに後押しされ、つい効果も副作用もよくわからない漢方薬や何々のエキスなどに手を出される患者さんも少なくありません。効果があればよいのですが、そうでなくかえって症状が悪化したという方もしばしば経験しています。

また、西洋医学や東洋医学でも治癒できない全身的な不定愁訴や難症例を歯科的治療のみで改善する、などと称して舌の痛みに関係なく、自信満々でやたらに補綴物(金歯や入れ歯など)をやり変えようと勧める歯科医師にも同様なことがいえます。

よく「自己責任」と言われますが、案外自分の体のことは自分では分からないものです。
氾濫する情報に惑わされず、まずは信頼できる先生に相談されることをお勧めいたします。

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