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ドライマウスとは日本語で口腔乾燥症のことをいいます。唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてを指すことになります。 |
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口が渇く、のどが渇く、口の中がネバネバする、パンやクッキーなどを食べられない、味がおかしい、食べ物を飲み込むのがつらいなどの症状があります。 |
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何らかの原因(糖尿病、腎臓疾患、シェーグレン症候群、薬剤の副作用、ストレス、脳血管性障害、老化など)で唾液が減ってしまうために起こります。ドライマウス自体は病気ではありませんが、原因になる何かの病気があると考えられます。 |
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問 診 |
| 病態を知るための大切な情報です。 |
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唾液の量の検査 |
| ガムを噛むなどの簡単な検査です。 |
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唾液腺の検査 |
| レントゲンやMRI, CT, 唾液腺造影で確認します。 |
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血液検査 |
| 体の病気を調べるために、血液検査をする場合もあります。 |
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シルマーテスト |
| 涙の量の検査:シェーグレン症候群の検査として行います。 |
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口唇生検 |
| シェーグレン症候群を疑う場合、局所麻酔をして、下唇の内側から小唾液腺を摘出し、検査する場合もあります。 |
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唾液腺を刺激する |
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唾液腺刺激療法、マッサージ等 |
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粘膜の保湿 |
| 保湿剤を配合した洗口液、ジェル、スプレー、人口唾液、保湿装置 |
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唾液の分泌を増やす |
| 塩酸セビメリン*、漢方薬など |
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粘膜疾患への対処 |
| 含嗽薬、軟膏、飲み薬:抗真菌薬等 |
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歯科的治療 |
| 唾液の減少で齲蝕や歯周病になりやすいので治療やクリーニングをするだけでなく、本院他診療科やかかりつけ医との共観により、よく噛めるように歯の治療をする。 |
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カウンセリングや心身医学的アプローチ |
| 心療内科、精神科との共観等 |
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ドライマウスの原因が明らかで、糖尿病や貧血などのようにその治療が可能な場合には、その原因疾患に対する治療を受けることが必要です。ところが、加齢的変化や放射線治療後などのようにその治療が容易ではない場合には、ドライマウスの症状に対する対症療法しかありません。(対症療法とは、症状を緩和する治療をいいます。)
最近では、対症療法も格段に進歩していますので、治療効果をあげるためにも早期診断・治療が重要です。少なくとも症状が緩和できればQOL(Quality of Life)の向上につながりますし、乾燥に起因する合併症の予防にもなります。対症療法といえども、積極的に治療を受けることをお勧めします。
参考文献:ドライマウス診断・治療マニュアル Dry Mouth Society in Japan
*塩酸セビメリンの効能・効果は「シェーグレン症候群患者の口腔乾燥症状の改善」です。各薬剤の詳細については、主治医・専門医にご相談ください。